オフィスの床に配線が這い、足元がごちゃついている状態を見るたびに、「この配線、どうにかならないのかな…」
そう感じたことはありませんか。
OAフロアを導入したものの、
・どんな配線方法が正解なのか分からない
・後からレイアウト変更ができるか不安
・見た目はきれいだが、実は床下がぐちゃぐちゃ
実はこれ、現場では非常によくある悩みです。
OAフロアは「敷けば終わり」ではありません。
配線方法の選び方と施工の考え方で、そのオフィスが「使いやすい空間」になるか、「不満の残る床」になるかが決まります。
この記事では、OAフロア配線 方法をテーマに、プロのOAフロア職人として現場で実際に施工してきた経験を交えながら、
誰にでも分かる言葉で丁寧に解説していきます。
OAフロア配線方法は大きく2種類に分かれる
OAフロアの配線方法は、難しく聞こえるかもしれませんが、実は考え方はとてもシンプルです。
基本となるのは、次の2つです。
| 配線方法 | 向いているオフィス | 特徴 |
|---|---|---|
| パネル下配線方式 | 大規模・配線が多い | 容量が大きい |
| 溝配線方式 | 小〜中規模 | 見た目がきれい |
この違いを理解することが、OAフロア配線で失敗しない第一歩です。
パネル下配線方式とは|大量配線を支える基本構造
パネル下配線方式の仕組み
パネル下配線方式とは、OAフロアの床下空間そのものを配線スペースとして使う方法です。
支柱型・置敷型どちらのOAフロアでも使われ、床下に30mm〜100mmほどの空間を確保し、その中に電源ケーブルやLANケーブルを通します。
現場では「床下配線」と呼ばれることが多く、最もオーソドックスな配線方法です。
パネル下配線方式のメリット
この方式が選ばれる理由は明確です。
・配線できる本数が多い
・将来的な増設にも対応しやすい
・サーバーや複合機などの電源も通せる
実際に、社員数が多いオフィスやIT系の事務所では、ほぼこの方式一択になることが多いです。
パネル下配線方式のデメリットと注意点
一方で、注意すべき点もあります。
・床下で配線が絡みやすい
・変更時はパネルの開閉が必要
・整理されていないとトラブルの原因になる
現場でよく見るのが、「最初はきれいだったが、数年後には床下が配線だらけ」というケースです。
計画性のない配線は、必ず後で困ります。
溝配線方式とは|見た目と手軽さを重視する方法
溝配線方式の基本構造
溝配線方式は、OAフロアパネルにあらかじめ設けられた溝に沿って配線する方法です。
溝の上にはカバーを被せるため、床表面はフラットに近く、非常にすっきりした印象になります。
主に置敷型OAフロアで採用されます。
溝配線方式のメリット
この方式の最大の魅力は、次の点です。
・配線ルートが一目で分かる
・見た目が整う
・配線変更が簡単
現場では、レイアウト変更が頻繁なオフィスで重宝されています。
溝配線方式のデメリット
ただし、万能ではありません。
・配線できる本数に限界がある
・太いケーブルは通しにくい
・溝の方向に配線が制限される
そのため、パソコン数が多いオフィスや、電源系が多い現場では不向きな場合もあります。
OAフロア配線の基本手順【共通】
ここからは、実際の現場で行うOAフロア配線の基本的な流れを説明します。
配線方式が違っても、作業の考え方はほぼ共通です。
1. 配線計画を立てる
最初に行うのは、必ず「計画」です。
・どこにデスクが来るのか
・電源は何本必要か
・LANは将来増えるか
この段階を軽視すると、後から必ずやり直しになります。
2. 床材を一時的に外す
次に、タイルカーペットなどの床材を丁寧に剥がします。
ここで雑に作業すると、仕上がりが汚くなり、後で浮きやズレが出る原因になります。
3. OAフロアパネルを開ける
該当するパネルを持ち上げ、床下空間、または溝を露出させます。
このとき、パネルの向きや戻す位置を間違えないよう、必ず確認しながら作業します。
4. 配線を通す
床下、もしくは溝に沿ってケーブルを通します。
壁際から立ち上げる場合は、パネルを加工することもありますが、見た目と安全性を最優先に考えます。
5. パネルと床材を元に戻す
配線後は、パネルを正確に戻し、床材も元通りに敷き直します。
この復旧作業の丁寧さが、「プロ施工」と「素人施工」の差になります。
OAフロア配線で必ず押さえる施工ポイント
専門業者に依頼すべきケース
次のような場合は、迷わず専門業者に依頼した方が安心です。
・配線本数が多い
・サーバーや重量機器がある
・床の耐荷重が関係する
OAフロアは、床であり、設備であり、安全装置でもあるためです。
DIY配線で注意すべきこと
軽微な配線変更であれば、自分で行うことも不可能ではありません。
ただし、
・無理に引っ張らない
・踏み込み部分を避ける
・必ず仮固定する
この3点は最低限守る必要があります。
OAフロア配線方法は「将来」を見て決める
OAフロア配線方法は、
・パネル下配線方式
・溝配線方式
この2つを、オフィスの規模・用途・将来計画に合わせて選ぶことが重要です。
現場で何百件と施工してきて感じるのは、「今」だけで決めた配線は、必ず後で足を引っ張るということ。
OAフロアは、ただ床をきれいにするためのものではありません。
働く人の動線、成長する会社の変化を受け止めるための土台です。
配線方法で迷っているなら、それは「失敗したくない」という、とても正しい感覚です。