OAフロアを設置したあと、「歩くと床がミシッと鳴る」「一部だけ沈む感じがする」「タイルカーペットの目地がズレてきた」
――そんな違和感を感じたことはありませんか?
OAフロアは設置して終わりではありません。
むしろ本当に大切なのは、設置後の調整とメンテナンスです。
私はOAフロア職人として、「施工自体は問題ないのに、調整不足でクレームになった現場」「最初に一手間かけていれば、10年以上快適に使えた現場」その両方を何度も見てきました。
この記事では【OAフロア 設置後の調整】をテーマに、
・なぜ調整が必要なのか
・どんな調整作業があるのか
・不具合が出たときの見極め方
・長く安全に使うための考え方
を、専門用語をなるべく使わず、現場目線で解説します。
OAフロア設置後に「調整」が必要になる理由
OAフロアは“ミリ単位のズレ”が快適性を左右する床
OAフロアは、パネル・支持脚・下地床が組み合わさった精密な床構造です。
そのため、ほんの1~2mmの高さズレや支え不足があるだけで、
・ガタつき
・沈み
・音鳴り
といった不具合につながります。
特に人の出入りが多いオフィスでは、設置後しばらく使って初めて症状が出ることも少なくありません。
建物側の床は「完全に平ら」ではない
コンクリートの床(下地床)は、見た目がきれいでも、実際には微妙な凹凸があります。
施工時にできる限り調整しても、
・建物のクセ
・荷重のかかり方
・季節による動き
によって、後から調整が必要になることがあります。
これは施工不良ではなく、床の性質とも言えます。
OAフロア設置後の主な調整作業
レベル調整(不陸調整)とは何か
レベル調整とは、床面を水平に保つための高さ調整のことです。
OAフロアで最も重要な調整作業と言っても過言ではありません。
支柱タイプの場合
支柱(支持脚)には高さ調整機能があり、一つひとつ微調整して床全体を水平にします。
この作業を丁寧に行うことで、
・ガタつき
・沈み
・歩行音
を防ぐことができます。
置き敷きタイプの場合
置き敷きタイプは高さ調整が限定的なため、下地床の状態がそのまま影響します。
不陸が大きい場合は、部分的な調整やパネル交換が必要になることもあります。
調整が必要なサイン(現場でよくある例)
以下のような症状が出たら、レベル調整のサインです。
- 歩くと床が鳴る
→ 支え不足や高さズレの可能性があります。 - 床がフワッと沈む感じがする
→ 支柱の緩みや下地不良が考えられます。 - タイルカーペットの目地がズレる
→ パネルの動きが原因のことが多いです。
放置すると症状は悪化しやすいため、早めの調整が重要です。
仕上げ材の施工と調整の考え方
なぜタイルカーペットが推奨されるのか
OAフロアの仕上げ材として、最も多く使われているのがタイルカーペットです。
理由はとてもシンプルで、
・1枚単位でめくれる
・配線変更が簡単
・音を吸収しやすい
という、OAフロアとの相性が抜群だからです。
現場でも、「将来レイアウトを変える可能性があるなら、必ずタイルカーペットと説明しています
仕上げ材のズレは床の不調サイン
タイルカーペットが、
・ずれる
・浮く
・隙間が目立つ
場合、床下のパネルに動きが出ている可能性があります。
見た目の問題だけでなく、床全体の精度に関わるため、仕上げ材の変化は見逃さないことが大切です。
配線・配管の確認と再調整
配線は「きれいに入っているか」が重要
OAフロアの下には、
・電源ケーブル
・LANケーブル
・通信線
が通っています。
設置後に配線を追加・変更した際、配線が偏ったり、無理に押し込まれると、
・パネルの浮き
・音鳴り
・断線リスク
につながります。
配線方式ごとの注意点
| 配線方式 | 注意点 |
|---|---|
| パネル下配線 | 配線の重なり・偏りに注意 |
| 溝配線方式 | カバーの浮き・噛み込みに注意 |
職人としては、「配線が床を押していないか」を必ず確認します。
設置後のメンテナンスと注意点
定期点検でトラブルは防げる
OAフロアは、定期的にチェックすることで寿命が大きく変わります。
点検のポイントは、
・パネルのガタつき
・沈み
・破損
・異音
年に1回でも確認するだけで、大きなトラブルを未然に防げます。
OAフロアの耐用年数の考え方
OAフロアの耐用年数は、一般的に10~20年程度とされています。
ただしこれは、
・使用人数
・荷重
・メンテナンス状況
によって大きく変わります。
調整を怠った床は、半分以下の年数で不具合が出ることも珍しくありません。
OAフロアは「設置後の調整」で価値が決まる
【OAフロア 設置後の調整】で大切なことをまとめます。
・設置後のレベル調整は必須
・ガタつき・音鳴りは早期対応が重要
・タイルカーペットは調整と相性が良い
・定期点検で寿命は大きく伸びる
OAフロアは、正しく調整されて初めて“快適な床”になります。
「ちょっと気になるけど、まだ大丈夫かな」そう感じた時こそ、調整のタイミングです。
現場を知っている職人の目で見ることで、床はもう一度、静かで安心できる空間に戻ります。