「OAフロアを検討しているけれど、置き敷と支柱式、どちらが正解なのか分からない」
「見積もりを見ると金額差が大きくて不安になる」
「安さで選んで、あとから失敗したくない…」
これは、OAフロア工事の相談を受ける中で、ほぼ必ず聞かれる悩みです。
実際、OAフロアは完成後の見た目がほとんど同じため、違いが分かりにくい床工事でもあります。
しかし、床の中を見れば、置き敷タイプと支柱タイプは構造も考え方もまったく別物です。
私はOAフロア職人として、
・短工期で一気に仕上げる置き敷工事
・ミリ単位で高さを調整する支柱式工事
その両方を数多く経験してきました。
この記事では【OAフロア 置き敷・支柱式との違い】をテーマに、構造・性能・費用・向いているオフィスを、
専門用語をできるだけ使わず、現場感覚で分かりやすく解説します。
OAフロアとは?まず知っておきたい基本構造
OAフロアは「床を二重にする仕組み」
OAフロアとは、既存の床の上に床材を設置し、床下に配線スペースを確保する二重床構造のことです。
LANケーブルや電源コードを床下に隠すことで、
・見た目がすっきりする
・つまずき事故を防げる
・レイアウト変更がしやすい
といったメリットがあります。
種類は大きく2つに分かれる
OAフロアは大きく分けて、次の2種類があります。
・置き敷タイプ(簡易・溝配線)
・支柱タイプ(床高調整式)
どちらもOAフロアですが、「何を重視するか」で選ぶべきタイプが変わります。
置き敷タイプOAフロアの特徴と仕組み
置き敷タイプとはどんなOAフロアか
置き敷タイプは、パネルを既存の床の上に直接敷き詰める構造のOAフロアです。
パネル自体に脚が付いていたり、パネル下に溝(ダクト)を設けて配線を通す方式が一般的です。
現場では、
・床にパネルを並べる
・位置を微調整
・仕上げ材を施工
という流れで、比較的スピーディーに工事が進みます。
置き敷タイプのメリット
置き敷タイプ最大の魅力は、工期が短く、コストを抑えやすいことです。
・床高が低く(約40〜100mm)
・施工がシンプル
・原状回復しやすい
特に、賃貸オフィスや短期利用の事務所では、「まずは最低限OAフロアを入れたい」という要望に応えやすい工法です。
置き敷タイプの注意点
一方で、置き敷タイプには弱点もあります。
・床下空間が小さいため、配線量に限界がある
・高さ調整がほぼできず、床の凹凸に弱い
・耐荷重が支柱式より低い
実際の現場でも、「最初は問題なかったが、機器が増えて配線が収まらなくなった」というケースは珍しくありません。
支柱タイプOAフロアの特徴と仕組み
支柱タイプとはどんなOAフロアか
支柱タイプは、高さ調整が可能な支柱(支持脚)を立て、その上にパネルを設置する構造です。
施工時は、
・支柱を1本ずつ固定
・レーザーで高さを確認
・ミリ単位で水平調整
という工程を踏み、精度の高い床を作ります。
支柱タイプの強みが生きる理由
支柱タイプ最大の特徴は、床下空間を大きく確保できることです。
・LAN・電源・通信配線
・太いケーブル
・将来追加される設備配線
これらを余裕をもって収納できます。
耐荷重も高く、サーバーや重量機器にも対応可能です。
支柱タイプが向いている現場
支柱タイプは、次のような環境で選ばれます。
・大規模オフィス
・コールセンター
・サーバー室
・配線量が多い業務フロア
現場経験上、「将来どう使うかがまだ決まっていない」場合は支柱式が安心です。
置き敷タイプと支柱タイプの違いを比較表で整理
| 項目 | 置き敷タイプ | 支柱タイプ |
|---|---|---|
| 施工方法 | パネルを直接敷く | 支柱で高さ調整 |
| 床高 | 約40〜100mm | 100〜1,000mm以上 |
| 配線量 | 少なめ | 多い |
| 耐荷重 | 低〜中 | 高い |
| レイアウト自由度 | やや低い | 高い |
| 工期 | 短い | やや長い |
| 費用目安 | 5,000円/㎡〜 | 8,000円/㎡〜 |
| 向いている規模 | 小〜中規模 | 中〜大規模 |
この表を見ると、価格差にはきちんと理由があることが分かります。
タイプ別おすすめの選び方
置き敷タイプがおすすめなケース
置き敷タイプは、次のような条件に合います。
・初期費用を抑えたい
・短期間で工事を終えたい
・配線が少ない一般事務フロア
・床の水平性が確保できている
「最低限のOAフロア機能で十分」という場合には、非常にコストパフォーマンスの良い選択です。
支柱タイプがおすすめなケース
支柱タイプが向いているのは、次のようなケースです。
・配線量が多い、今後増える可能性がある
・大型機器やサーバーを設置する
・床の凹凸があり、水平調整が必要
・将来のレイアウト変更に備えたい
床工事はやり直しが難しいため、長期利用を前提とするなら支柱式が安心です。
職人として伝えたい本音|OAフロア選びで後悔しないために
「今」だけでなく「数年後」を想像する
現場で後悔が多いのは、今の使い方だけで判断してしまったケースです。
・人員増加
・IT機器の増設
・働き方の変化
これらは、ほぼ確実に起こります。
迷ったら、現場を見て判断すべき
OAフロアは、図面や価格表だけでは判断できません。
床の状態、配線量、天井高、使い方。
それらを見たうえで、最適な工法を選ぶ必要があります。
OAフロアの置き敷・支柱式の違いを理解して選ぼう
【OAフロア 置き敷・支柱式との違い】をまとめると、
・置き敷タイプ:低コスト・短工期・一般事務向け
・支柱タイプ:高機能・高耐荷重・将来対応型
どちらが正解かではなく、どちらがあなたのオフィスに合っているかが重要です。
もし迷ったら、床の中を知り尽くしたOAフロア職人に相談することが、一番の近道です。
私たちは、「やってよかった」と思えるOAフロアを、現場目線で一緒に考えます。