「OAフロアって便利そうだけど、正直どういう仕組みなのか分からない」
「床を二重にするって聞くけど、何のため?」
「配線を隠すだけなら、本当に必要なのかな…」
OAフロアを検討している方から、現場でよく聞く声です。
カタログや営業資料では“メリット”は並びますが、仕組みそのものは意外と説明されません。
私はOAフロア職人として、
・既存床の上にパネルを敷き
・支柱をミリ単位で調整し
・床を開けて配線を通す
そんな現場を数多く経験してきました。
その立場から言えるのは、OAフロアは「仕組み」を理解してこそ価値が分かる床だということです。
この記事では【OAフロア 仕組み】をテーマに、床の中で実際に何が起きているのかを、専門用語をできるだけ使わず、誰でもイメージできるように解説します。
OAフロアの仕組みとは|床を二重にする理由
OAフロアの基本的な考え方
OAフロアの仕組みはとてもシンプルです。
「今ある床の上に、もう一枚床をつくる」これがOAフロアの基本です。
元の床(コンクリートや下地床)の上に、専用のパネルを設置し、その間に“空間”をつくります。
この空間があることで、LANケーブルや電源コードを床の中に収納できるようになります。
なぜ床を二重にする必要があるのか
OAフロアがないオフィスでは、配線は床の上を通すしかありません。
・コードが露出する
・養生テープで固定する
・掃除のたびに邪魔になる
こうした状態は、見た目だけでなく安全面でも問題です。
OAフロアの仕組みは、配線を「見せない」「踏ませない」ために生まれた構造なのです。
OAフロアの仕組み① 二重床構造
二重床構造とは何か
OAフロアの最大の特徴は、二重床構造です。
・下の床:既存の床(スラブ)
・上の床:OAフロアのパネル
この2層の間に空間(床下空間)ができます。
現場では、この空間を「床下」「懐(ふところ)」と呼ぶこともあります。
二重床が生み出す床下空間の役割
この床下空間には、次のものが通ります。
・電源ケーブル
・LANケーブル
・電話線
・通信配線
床下にまとめて通すことで、オフィス全体がすっきりし、後からの配線変更も簡単になります。
OAフロアの仕組み② 配線収納の考え方
配線はどうやって床の中に入る?
OAフロアでは、パネルの一部を外すことで床下にアクセスできます。
実際の現場では、必要な場所だけパネルを外し、配線を追加・変更します。
壁や天井を壊す必要がないため、工事の負担が大きく減ります。
配線方式は2パターンある
OAフロアの配線の仕組みには、大きく2種類あります。
| 配線方式 | 仕組み | 主に使われるタイプ |
|---|---|---|
| パネル下配線方式 | 床下の空間全体に配線 | 支持脚式 |
| 溝配線方式 | パネル表面の溝に配線 | 置敷式 |
それぞれ、床の構造と密接に関係しています。
OAフロアの主な種類と仕組みの違い
支持脚式(フリーアクセスフロア)の仕組み
支持脚式は、支柱(脚)でパネルを支える構造です。
床に支持脚を固定し、その上にパネルを載せていきます。
脚の高さは調整できるため、床下空間を広く取れるのが特徴です。
現場では、
・配線が多い
・将来変更が多い
・床下に余裕を持たせたい
こうした場合に選ばれます。
置敷式(置き床式)の仕組み
置敷式は、脚とパネルが一体型になった床材を並べる仕組みです。
床に固定せず、下地の上に直接敷き詰めます。
・施工が早い
・コストを抑えやすい
・原状回復しやすい
という特徴があり、一般的なオフィスでよく使われています。
支持脚式と置敷式の仕組み比較
| 項目 | 支持脚式 | 置敷式 |
|---|---|---|
| 床下空間 | 広い | 限定的 |
| 配線量 | 多い | 少なめ |
| 高さ調整 | 可能 | ほぼ不可 |
| 施工性 | 手間がかかる | 簡単 |
| コスト | 高め | 抑えやすい |
仕組みの違いが、そのまま使い勝手に影響します。
OAフロアの仕組み③ 仕上げ構造
表面は普通の床と同じ
OAフロアの上には、タイルカーペットなどの仕上げ材を施工します。
見た目は、一般的なオフィスの床と変わりません。
しかし、必要なときは1枚ずつ外して床下にアクセスできます。
なぜタイルカーペットが多いのか
タイルカーペットは、
・部分交換ができる
・床下点検がしやすい
・音を吸収する
という理由で、OAフロアと相性が良い仕上げ材です。
職人目線でも、OAフロア=タイルカーペットという組み合わせは非常に理にかなっています。
OAフロアの仕組みがもたらすメリット
美観と安全性が同時に向上する
OAフロアの仕組みにより、床の上から配線が消えます。
・見た目がすっきり
・つまずき事故が減る
・断線リスクが下がる
これは、現場で最も実感されるメリットです。
レイアウト変更に強いオフィスになる
デスク配置や機器の変更は、どのオフィスでも必ず起こります。
OAフロアの仕組みがあれば、床を壊さず、配線を移動できます。
結果として、オフィスの変化に強い床になります。
OAフロアの仕組みを知ると選び方が変わる
OAフロアの仕組みは、
・床を二重にする
・床下に配線を収納する
・必要なときに簡単に触れる
という、非常に合理的な構造です。
支持脚式か、置敷式か。
この違いも、仕組みを知れば自然に判断できるようになります。
もし、「自分のオフィスにはどんな仕組みが合うのか分からない」そう感じたら、現場経験のあるプロに相談してください。
私たちは、床の中まで見てきたOAフロア職人として、仕組みから丁寧にご説明し、最適な提案を行います。